OJTトレーナーになるということは

2023年3月にあるクライアント企業さま向けに、OJTトレーナー養成研修を設計・提供(講師)を実施しました。2日間の研修を、関西と関東で行いました。
OJTトレーナーとは、企業のビジョン・ミッションを実現するために、特に新しく組織に参加した人や、新しい役割に就いた人が、求められる業務を習得していくプロセスを、支援することが役割です。従って、OJTトレーナーは、自身が業務を高いレベルで実施できるだけでなく、トレーニー(トレーニングを受ける人)の成長を促進するという別の能力が求められます。
その能力の中には、自身の習慣的な行動も言語化し、他者に説明するという、メタ認知もあります。
実際に受講者の気づきでは、「自分の行動を言語化、可視化することによって、自分の行動を意識するようになった」という声が多数聞かれました。さらには「言葉の大切さ」への気づきも多くありました。
OJTトレーナーにとって、トレーニーが新しい行動を習得するのを効果的に支援するためには、その人の状態を把握するために、観察することや、どのような気持ちでいるかを話してもらうことも大事です。その上で、OJTプランを調整していきます。さらには、トレーニーが主体性をもって前向きに新しい業務に取り組むよう、励まし、自身で気づきを得て先に活かす選択するプロセスを支援することも重要です。
トレーニーを支援するのがトレーナーですが、このような支援行動を通じて、実際にはトレーナー自身が最も成長するのではないかと思っています。
今回のクライアント企業さまでは、初めてのOJTトレーナー養成でしたので、この研修を修了した方々は、組織の中で、前例のないことを実施していくことになります。簡単なことではないと思いますが、受講者同士でコミュニケーションをとりながら、道を切り開いていってもらいたいですし、私もフォローアップをしていきたいと思っています。